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担当者の企画力と情熱で作り上げた京王百貨店“発”のイベント「猪木展」

2025.09.05
今や全国巡回イベントになっている「猪木展」ですが、2023年に京王百貨店 新宿店で開催されたイベントが「全国初開催」だったことをご存じでしょうか。初開催に向けて、どのような内容にするべきか、どのような展示品ならば猪木ファンが喜んでくれるのか、何をどのようなレイアウトで組むべきかなど、営業部の担当者がゼロからつくり上げました。その裏側には、担当者の情熱と猪木元気工場(以後IGF)の力強いサポートのほか、多くの関係者の皆さまの協力のうえで築かれたイベントです。本記事では2023年の初開催から、2025年度の「INOKI EXPO」までの道のりを紐解いていきます。
目次

●“好き”こそがすべての根源
●情熱は人を動かす
●”ゼロからの構築”という挑戦
●伝染する情熱
●売上日本一を達成
●オンリーワンへのこだわり
●終わらない熱狂
【ご注意】記事内の画像の無断転載はお控えください。

 “好き”こそがすべての根源

©︎猪木元気工場
2023年8月に初開催した「燃える闘魂・アントニオ猪木展」誕生のきっかけは、大の猪木ファンの鈴木取締役(写真右端)と言っても過言ではありません。2022年当時、ファッション・ライフスタイル営業部の部長だった鈴木は、コロナ禍が収束する中でも完全に回復しきらない来店数や売上に大きな課題を感じていました。
「もっとお客様がワクワクしてご来店される、暑い夏を元気いっぱいに乗り切れる何かを投じなければ、と考えていました。そんな中、2022年10月に惜しくも猪木さんが逝去され、『猪木さんのことを、猪木ファンは忘れたくないという想いでいっぱいのはず』というファンならではの想いが沸き立ち『猪木展をつくろう!』とプロジェクトがスタートしました。」とイベント企画の成り立ちについて鈴木取締役より語っていただきました。
※画像は2023年8月に初開催となった「燃える闘魂・アントニオ猪木展」プレオープニングイベントの様子(B1階 on the Corner)

 情熱は人を動かす

イベントのアイデアが発案されたのは良いものの、全く手掛かりゼロの中、どこに連絡をすればいいのかも分からない、というのが当初の状況でした。
 しかし、営業部の社員が持ち合わせる人脈と、日頃からさまざまなお取引先さまと密度の高いコミュニケーションを取っていたことが功を奏し、まずは元プロレスラーの方につながることができました。部を挙げてご挨拶に伺うと、元プロレスラーの方から猪木さんの弟さんをご紹介いただきました。そして猪木さんの弟さんから「猪木元気工場(IGF)」をご紹介いただき、ようやくイベント企画のスタートラインに立つことができたというストーリーがありました。
 
「(当時)鈴木部長が先陣を切ってプロジェクトが実現に向けて進んでいく中、担当としてイベントを企画し実行するまでの“いろは”を学びました。猪木さんの事が大好きでリスペクトしているかという鈴木部長の熱意が、多くの協力を呼び込んでいたのが印象的です。情熱があればチャレンジ性が高いものも実現できることを実感しました。」そう語るのは本イベントを担当した山本バイヤー(ファッション・ライフスタイル営業部 MD第4担当)

 ”ゼロからの構築”という挑戦

ゼロから全てを決定してつくり上げていくには、並大抵ではない時間と労力を要しました。イベント担当となった山本さんは何度もIGFの事務所へ赴き、事務所に眠る宝ともいえる猪木さんの貴重な私物や資料、グッズや記念品などを1つずつ丁寧に確認する作業を繰り返しました。写真の猪木さんパネルが鎮座するプロレスリングは、営業企画部メディア担当(装飾)が営業部の要望をくみ取り、本イベントのために特別に製作。イベント会場で購入者限定のフォトスポットとして大いにイベントを盛り上げました。

「2022年に猪木が亡くなり、”猪木信者”と呼ばれるファンの方々の 『猪木ロス』を埋めたのが猪木展かと思います。鈴木取締役をはじめ運営に関わったすべての方の情熱と猪木ファンの想いがケミストリーした結果がいまだに全国で実施されている『猪木展』の礎であることは間違いないですね。」と宇田川代表(猪木元気工場)より、初開催から2025年の現在に至るまでの想いをいただきました。
※下記写真は2023年初開催のプレオープニングイベントの様子
展示品のグルーピング、レイアウト作成から什器手配まで、試行錯誤してつくり上げました。
関係者やお客様がじっくりと展示物をご覧になる姿を見ると、ゼロから作り上げたことを誇りに思います。

 伝染する情熱

「燃える闘魂・アントニオ猪木展」を京王グループ全体で盛り上げるため京王電鉄(株)の鉄道部門へアプローチ。アイデア出しの末、「アントニオ猪木生誕80周年記念きっぷ」をイベント会期に合わせて数量限定で販売することになりました。
猪木さんのイメージカラーである赤を基調とした往年のファイトシーンの写真や“アントニオ猪木語録”がデザインされた台紙に、「1、2、3、ダー!」の掛け声にちなんで3枚のD型硬券がセットになった超限定品は、京王百貨店のイベント会場であるB1階 on the Cornerおよび京王線新宿駅 京王西口 駅窓口にて8月3日(木)より販売され、当日中に完売するほどの人気でした。
※京王百貨店 新宿店 B1階 on the Cornerでも限定数の一部を販売し、8月5日(土)に完売しました。

 日本一売上を達成

第2回目の開催となった2024年6月の「超・燃える闘魂 アントニオ猪木展」は、新宿店7階大催場での開催となり、規模も内容も大幅にレベルアップ。猪木さんの戦績の記録や当時のライバルにまつわる貴重な品々、猪木さんが「イノキ・ゲノム・フェデレーション」の社長を務めていた当時の社長室を再現した特別展示のほか、アパレルやグッズは、なんと150種以上まで展開が大幅に拡大しました。そして「超・燃える闘魂 アントニオ猪木展」の売上は、その後日本各地を巡回しアントニオ猪木展の回数が増えていく中でも未だに日本一位であり続けるという快挙を成し遂げています。
※写真は2024年6月20日(木)の開店時に開催されたオープニングイベントの様子。
「IGFの宇田川代表と相談しながら、7階会場での構成案から、会場のどこにどういう順路で配置すれば見やすく買いやすいイベントになるかなど、お互いが納得するまで根気よく話し合って作り上げたので、日本一の売上を作ることができてとても嬉しいです。」と浜田バイヤー(ファッション・ライフスタイル営業部 MD第4担当)
闘魂タオル以外にも、フィギュアやレプリカガウン、キャップ、Tシャツ、ショッピングバッグ、マグネットなど、第1回目のイベントにはなかったアイテムが多数登場。
東京・巣鴨から出張出店してくださったのは、「格闘技プロレスショップ 闘道館」。力道山がハワイから送った直筆手紙(超秘蔵初公開)や初代タイガーマスクも披露しました。

 オンリーワンへのこだわり

2024年6月に第2回目として開催された「超・燃える闘魂 アントニオ猪木展」の目玉企画の1つは、豪華ゲストのトークショーと猪木さんの名試合鑑賞とともに、お酒とお食事をビュッフェ形式でお楽しみいただける予約定員制のイベント「復活!アントニオ猪木酒場」でした。かつて新宿で営業されていた「アントニオ猪木酒場」が期間限定で復活するイベントは、他店では実施されていない京王百貨店オリジナル企画として初開催され、大きな反響を呼びました。
「京王百貨店にて2023年8月に初開催の後、日本各地での巡回イベントになったことを受け、次回京王百貨店で開催する際はレベルアップしたイベントにしたいという思いが強くなりました。やるからにはオンリーワンを目指したいという気持ちで常に取り組んでいます。ゼロからつくり上げるのは本当に大変ですが、『オンリーワン』、『京王百貨店限定』にこだわっていきたい気持ちが強いです。他店舗での開催時よりも京王百貨店でのイベントが過去最大になるよう規模を拡大したり、京王百貨店独自の企画でお客様の期待に応えられるイベントにすることを一番に考えています。」

そう語ってくれたのはファッション・ライフスタイル営業部の岩本課長。2023年の第1回目のイベント開催時から企画から運営までを任された中心人物の一人。鈴木取締役と同様にプロレスファンの一人です。
新宿店8階レストラン街 新宿Keioダイニング「お好みダイニング 八寸八卓」(2024年6月時点)にご協力いただき入口には猪木さんの等身大人形を設置。
満員御礼でゲストを迎えた会場は、登場のテーマ曲が鳴り響く度に沸き立ち、笑い声の絶えない楽しいイベントになりました。

 終わらない熱狂

©︎猪木元気工場
そして2025年8月14日(木)~21日(木)には、その集大成ともいえる「アントニオ猪木デビュー65周年記念 INOKI EXPO」が開催されました。初日の開店前には、メディア向けのオープニングイベントが開催され、ゲストに蝶野正洋 氏(中右)、そして今回のイベントのアンバサダーに就任したTHE RAMPAGE 武知海青 氏(中左)が登場し、会場内の展示物の紹介をしたり、テープカットを行いました。
会場入口には、デビュー65周年を表現する暦年の猪木さんの顔写真のコラージュと、引退試合で猪木さんが着用されていたローブが飾られました。
会場内には、猪木さんの公式広報誌ともいえる「東京スポーツ」のさまざまな紙面がコラージュ化された『東スポの壁』が展開されました。
連日、豪華ゲストを招いて、指定商品のお買い上げ特典として「ツーショット撮影」や「サイン会」を実施しました。蝶野さんの「ガッデーム」コールに会場のボルテージは最高潮。
前回大好評だった「復活!アントニオ猪木酒場」が再度登場。ユーモアたっぷりのトーク内容にお客様の笑い声が絶えませんでした。
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