有名駅弁と全国うまいもの大会

おかげさまで50周年 京王百貨店

バックステージ

回大会の反省会をしたのは、イベントが終わって間もない春先のこと。
「もう一年たったのかな」というくらい、今大会も早くから企画出しを行い、実現のために奔走してきました。
そのモチベーションは、なんといってもお客様の大きなご期待です。アンケートを拝見していますと「京王は次の駅弁大会でなにをやってくるんだろう」とワクワクされている様子が伝わってきますし、毎回のように来られる方も大勢おられますので「今年も京王はやったね!」と思っていただきたい。
その一心から全社を挙げて取り組んでいるイベント、それが京王の駅弁大会なんですね。

意外に思われるかも知れませんが、多数のご来場に歓喜するのは束の間のことです。長い行列にお並びのお客様を目にすると本当に申し訳なく、お目当ての駅弁が売り切れでお求めいただけなかったお客様をお見かけすると、同じくらい残念な気持ちでいっぱいになります。
それだけに、「買えたわよ!」という声を聞くと自分のことのようにうれしいです。

今回の駅弁大会は開店50周年イベントの第一弾ということで、今までにない素材や味わいにこだわり取り組みました。なかでも「名人 夢の競演」「豪華海鮮対決」という特別企画2本立てのテーマは、歴史のある京王の催事だからこそ実現できる「理想の駅弁」です。

駅弁大会の第1回目のポスターと会場の様子(1965年)。
多くのお客様にお越しいただきました。

混雑が予想されますが、記念すべき開店50周年の駅弁大会を思う存分楽しんでいただけましたら、これ以上にうれしいことはございません。

王の駅弁大会の特長であり、大きな見どころのひとつに「実演販売」があります。
全国各地の個性ゆたかな製造元さんが、お客様の目の前で駅弁を仕上げご提供するという珍しいふれあい企画です。 しかし最近では、特急が停まらない、電車の窓が開かないなど、むかしに比べて駅売りしにくい状況になっており、残念な がら廃業を余儀なくされる製造元さんも少なくありません。

駅弁大会のひとつの使命を「お客様によろこんでいただくこと」としますと、もうひとつの使命は「きびしい環境のなかでも頑張っておられる、各地の製造元さんをもっともっと掘り起こし注目していただくこと」といえます。
実際に、いくつかの製造元さんは、京王の駅弁大会を足がかりにご商売がうまく運んでいるところもあります。そうした様子をうかがいますと「あぁ、よかったなぁ」と感無量の思いです。また今回は、10年以上前から出店をお願いし続けていた北海道の製造元さんから、「挑戦したい」といううれしいご連絡をいただいたりもしました。

試行錯誤と創意工夫の上に仕上がった新作駅弁も多く、たとえば対決企画で脚光を浴びてベストセラーになった「たらば寿し」(釧路駅)や「牛肉どまん中」(米沢駅)のように、以後も長く愛され、その地域を代表するお弁当として根づいていって欲しいと考えています。

実演販売は、京王百貨店の駅弁大会の大きな見どころのひとつです。(写真は、第47回大会のしお味・仙台みそ味牛たん弁当)

出店依頼から10数年。ついにご参加いただいた製造元の札幌駅立売商会さん。
「豪華海鮮対決」に、希少な「鮭児」を使ったお弁当で挑みます。

「たらば寿し」は、第34回(1999年)の「東西かに対決」で、「牛肉どまん中」は、第35回(2000年)の「牛肉対決」 でともに脚光を浴び、人気駅弁として不動の地位を築いています。

人 夢の競演」の実現にあたり、私は道場六三郎先生のお店へお願いにあがりました。名人はいずれもお忙しい方ばかりですので、初対面の印象は「これは無理そうだな」でした。
それでも何度目かの訪問で了解をいただくと、道場先生が自ら調理場に立たれお店の料理長をお相手に、新しいアイデアが次々と飛び出しはじめました。プロフェッショナルのオーラに、もう圧倒されっぱなしです。
どんな豪華絢爛なお弁当になるのだろうと思っていたら、「高い弁当がいい弁当とは限らないから。器もシンプルなものでやりたい」とお話しいただき、超一流の味をお求めやすい価格でご提供することがかないました。

もうひとつの特別企画「豪華海鮮対決」は、お客様アンケートのなかに「お肉がメインの駅弁が多い」というご意見があり、近年の駅弁大会では7対3くらいの割合でお肉のお弁当になっていることから、海鮮のおいしさを新発見・再発見していただけるような提案をしたいと考えました。
グレード感のある「鮭児」を筆頭に、「かに」「鮑」と甲乙つけがたい豪華な三つ巴を実現しています。

特別企画のお弁当も、人気の定番駅弁も現地へ行かなければなかなか味わえないものばかりですので、ご来場者の皆様にはぜひ、お目当ての品をじっくり味わっていただきたいですね。