有名駅弁と全国うまいもの大会

おかげさまで50周年 京王百貨店

豪華海鮮対決

明治35年創業の番匠本店は、かにめし駅弁の元祖といわれています。100年超の老舗に「これまでのうちの集大成」と断言する、「かに好きにはたまらない駅弁」について、ご担当者の蒔田さんにお話をうかがいました。

ー今回のお話があったときの、お気持ちを教えてください。
京王百貨店の元祖・駅弁大会は、知名度も抜群ですし、駅弁ファンからの注目もケタはずれに高いイベントです。ここに出ること自体が私たちの誇りであり、駅弁製造に携わる会社のステータスでもあるんです。ですから、「やってやるぞ!」という気持ちになりました。
過去に何度も参加させていただき、その度にお客様からご支持いただいてきましたので、それをお返しできるような駅弁をつくろうという意気込みで、2013年の3月ごろから開発に取り組んできました。

ー「三種盛りかにづくし」は、どのような経緯で生まれたのですか?
京王さんから「開店50周年にふさわしく、素材にこだわった新しい駅弁をつくっていただきたい」というお話をいただきました。
当社は昭和36年から「かにめし」を名物にしている老舗です。いままでいろいろなバリエーションの「かにめし」を開発してきたのですが、そのなかでも特においしく評判のよかったものをひとつにまとめ、「番匠本店の集大成」ともいえる駅弁に仕上げました。

ー今まで以上にこだわられたこと、ご苦労されたことはありますか?
駅弁大会に何度も参加するうち、固定的なお客さまが毎年のように来てくださるようになりました。皆さんの「かにを食べたい」という気持ちに応えるため、他の食材は極力はぶいていったんですね。すると一面が「かに」となりますので、見た目のバランスを取るのに苦労しました(笑)。

福井県といえば、日本海の荒波に削られた断崖絶壁の「東尋坊」。日本国指定名勝のひとつです。

明るく衛生的な作業場で、ひとつひとつ真心込めて仕上げられていく番匠本店の駅弁。

ー3種の「かにめし」について、それぞれ解説をお願いします。
刻み海苔が乗っているのは、食感がよく繊細な味わいの「紅ずわいかに」の抜き身です。こちらは長年「越前かにめし」でもお馴染みの、伝統の味わいとなっています。今回は特別に国産の紅ずわいがにの身を用意しました。
真ん中は、ずわいのむき身にかにみそを添え、肩コロ肉と殻つきの爪肉を配しました。殻を割って豪快にかぶりつく、そんな醍醐味を楽しんでいただけたらと思います。
そして最後は、ずわいの肩コロ肉をほぐし、蒸しウニと塩ウニで和えたものです。塩ウニは越前名物のひとつですが、これを使って福井ならではのおいしさを表現しています。

※紅ズワイガニは国産、ズワイガニはカナダ産を使用しています。
※今回実演で使う塩ウニは、越前産ではなく韓国産を使用しています。

ーご飯にも、相当なこだわりがあるようですね。
かにがメインの駅弁は、酢飯を使うことが多いと思うのですが、うちはセイコガニの卵巣とみそをまぜて炊き上げる、福井の郷土料理をベースにした醤油風味の炊き込みご飯です。かに好きの方には、たまらない駅弁に仕上がったと自負しています。

ー最後に、駅弁ファンの皆さまにメッセージをお願いします。
歴史ある駅弁大会の、それも特別企画の一翼を担えるのは、うちの「かにめし」を目当てに買いにきてくださるたくさんのお客様がいたからこそ。ぜひとも今回の駅弁を味わっていただき、よろこんでいただけたらと願っています。

ーありがとうございました。

  • 三種盛りかにづくし
  • (福井県 北陸本線/福井駅)
    税込1,500円
    販売場所【B-4】
    各日800食販売予定
  • ウニで和えた肩コロ肉、かにみそ付きの抜き身、紅ズワイガニのほぐし身を、セイコガニの卵巣とみそを炊き込んだご飯と一緒に召し上がれ。