有名駅弁と全国うまいもの大会

おかげさまで50周年 京王百貨店

名人夢の競演

伝統と創作を巧みに融合させ、奥深い作品を次々と生み出すその姿から「料理界の諸葛孔明」と称される中村先生。
「冒険のない料理人に進歩はない」をモットーとする和の巨匠が「これまで店で培ってきた技術を総合した」と語る、スペシャルな駅弁の魅力に迫ります。

ー駅弁のコンセプトと、そこに込められた思いを教えてください。
コンセプトは「鳥取の食材を生かした、和食ならではの懐石御膳」です。
今回の駅弁開発のお話をいただきいろいろと考えた結果、懐石膳のような、美しく、ひとつひとつの食材を生かした料理を詰め合わせたものがいいと考え、丹精込めて仕上げました。これまで店で培ってきた技術を総合したお弁当です。

ー長崎県出身の中村先生が、鳥取県の食材を採用されたのはなぜですか?
鳥取県は食材の宝庫です。肉も魚も特色のあるものがそろっています。今回のお弁当は複数種の料理を詰め合わせたもののため、まさにうってつけでした。
3年ほど前、講演の依頼があって鳥取県を訪問した際、「いい食材がそろっているなあ」という記憶があり、これもコラボレーションを決めた理由のひとつです。

ー気になる中身について、いくつか解説してください。
メインは、蟹入りチーズ味噌コロッケ、豚の塩焼き、鳥取県産和牛の香味焼きです。
蟹入りチーズ味噌コロッケについては、そもそもじゃがいもと蟹・チーズはとても相性がよいので、それらをひとつに合わせ新しい料理に仕上げました。一方で、蟹と菊の檸檬オリーブオイル(※)和えは、これまでにない組み合わせを考え創作したものです。

※ 檸檬オリーブオイル
今回使用されている「檸檬オリーブオイル」は、単にオリーブオイルにレモンフレーバーをつけたものではなく、オリーブの実とレモンを同時に圧搾してつくった、こだわりの逸品です!

ー駅弁という料理に対する認識、駅弁の思い出などをぜひ。
修業中だった若い頃に食べる機会があり、当時は駅弁について「旅の途中に空腹を満たすもの」くらいの認識しかありませんでした。しかし実際に味わってみると、完成度の高さに感動したのを覚えています。
さまざまなイベントで地方へ行くことが多くなってからは、帰りの車内でその地方の特色が出ている駅弁を食べるのが楽しみで、すっかりファンになっています。

ー品数豊富ですが、おいしく食べ進める順番はありますか?
お好きなところからお召し上がりください(笑)。
あえていうなら薄味の料理から召し上がっていただき、メインの料理と交互に楽しんでいただく合間にご飯をはさんでいただく、というのがよいかと思います。
また、塩ぽん酢はそのままでも、豚の塩焼きと絡めていただいてもおいしく味わっていただけます。ぜひご賞味ください。

ーありがとうございました。

  • 中村孝明 監修・プロデュース
  • 鳥取の味 懐石御膳
  • (鳥取県 山陰本線/鳥取駅)
    税込1,980円
    販売場所【B-3】
    各日500食販売予定
  • 鳥取県産和牛の香味焼きや、茄子のオランダ煮、蟹の檸檬オリーブオイル和えなど、和食の域を超えた感性あふれる料理の数々を丁寧に盛り込みました。