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お役⽴ちコラム

2021/05/11

高効率給湯器の種類からエコ住宅設備の対象となる基準まで

高効率給湯器の種類からエコ住宅設備の対象となる基準まで

現在普及が進んでいる高効率給湯器は、省エネ性能の高さが環境に優しく、同時に光熱費が抑えられるとして人気が高まっています。しかし、主だった高効率給湯器の種類だけでも4タイプあるため、どの高効率給湯器が自宅に合っているか判断できない人もいるでしょう。

今回は、高効率給湯器の概要と設置することによるメリット・デメリット、高効率給湯器の種類ごとに特徴・仕組みの違いについて詳しく解説します。エコ住宅設備の対象として認められる高効率給湯器の基準も紹介するため、これから導入を検討している人はぜひ参考にしてください。

 

1.高効率給湯器とは?

高効率給湯器とは、従来の給湯器と比較して少ないエネルギーで効率よくお湯を作れる給湯器のことです。

給湯に使用される燃料を抑えることが可能なため、家庭では高い節約効果が期待できます。また、CO2の排出量を抑制することにもつながるため、環境保全の面からも普及が期待される給湯器です。

特に高い省エネ効果が認められている4種類の高効率給湯器に関しては、「グリーン住宅ポイント」発行の対象製品に指定されています。

出典:国土交通省「グリーン住宅ポイント制度の内容について」

 

1-1.高効率給湯器のメリット・デメリット

ここでは、高効率給湯器全般のメリットとデメリットを紹介します。

高効率給湯器のメリット

◯光熱費を安く抑えられる

高効率給湯器は、従来の給湯器と比較して光熱費がかかりません。熱効率のよい高効率給湯器は、従来の給湯器と比較して同じ量のお湯を沸かす際に消費する燃料が少なくて済むためです。特に、1日あたりに使うお湯の量が多い家庭ほど、光熱費の大幅な削減が見込めるでしょう。

◯環境保全に役立てられる

お湯を沸かすために燃料を燃焼させることは、CO2を発生させることにつながります。燃料の消費量が少ない高効率給湯器を使用することによって、これまでと同じ量のお湯を使用してもCO2の発生を抑えることが可能です。CO2の排出量を減らすことで、環境保全に役立てることができます。

高効率給湯器のデメリット

◯本体や工事費用が高い

高効率給湯器は、精密部品や最新技術の多用によって本体が複雑化・高額化しています。また、給湯器の大型化や部品の増加もあり、取り付けや交換の作業員も多く必要となるため、導入費用が高くなる傾向です。

◯お湯の量が少ない場合は節約効果が低い

従来の給湯器と高効率給湯器でかかる燃料費の差額は、沸かすお湯の量に比例します。お湯の使用量が多い家庭ほど光熱費の差額も多くなるため、年間ランニングコストがよく、導入費用の早期回収が見込めるでしょう。しかし、単身世帯など1日あたりに使うお湯の量が少ないケースでは、導入費用の回収に長期間かかる可能性があります。

高効率給湯器を導入する際には、メリットとデメリットの両方に目を向けて慎重に検討しましょう。

 

2.高効率給湯器の種類|特徴・仕組みの違い

高効率給湯器には「エコキュート」「エコジョーズ」「エコフィール」「ハイブリッド給湯器」の4種類があります。各給湯器では、熱源を始めとした特徴や仕組みが異なるため、導入前に比較検討することが大切です。

ここでは、それぞれの特徴や仕組みを詳しく解説します。

 

2-1.エコキュート

エコキュートの特徴・仕組みは、下記のとおりです。

特徴

エコキュートは、ヒートポンプ技術と電気を併用してお湯を沸かし、貯湯タンクに溜めておきます。

日中に使用するお湯を夜間に沸かすことで、電気代を割安に抑えることが可能です。太陽光発電システムとの相性がよく、オール電化と併用すればガス代や灯油代を支払う必要がなくなることもあります。

また、エネルギーの利用率が非常に高く、4種類の高効率給湯器のなかで最も光熱費がかかりません。ただし、貯湯タンクの設置場所が必要な点や大き目の稼働音を気にする人がいる点には注意が必要となります。

CO2を排出しないことも、エコキュートの特徴です。

仕組み

屋外に設置されたファンで取り込んだ大気中の熱を、空気熱交換器の自然冷媒に吸収させ圧縮することによって高温化させ、お湯を沸かす仕組みです。お湯の温度が足りない場合は電気で沸かして補います。

 

2-2.エコジョーズ

エコジョーズの基本情報・特徴・仕組みは、下記のとおりです。

特徴

エコジョーズはガスでお湯を沸かします。

瞬間式の給湯器となっており、貯湯タンクを設置する必要やお湯切れを心配する必要がありません。4種類の高効率給湯器のなかでも熱効率に優れており、設置スペースが小さくて済みます。導入費用が安く頻繁な定期検査も必要ないため、あまりお金をかけずに省エネ対策に取り組みたい人に人気です。

ただし、ドレン排水用の配管工事が必要なうえ、使用時に発生する酸性の水蒸気は金属を腐食させます。立地や間取りによってはエコジョーズの設置条件を満たせません。

仕組み

お湯を沸かす際の排気熱を利用した二次熱交換機で先に水を温めることによって、ガス使用量を減らす仕組みです。

 

2-3.エコフィール

エコフィールの基本情報・特徴・仕組みは、下記のとおりです。

特徴

エコフィールは、灯油(石油)を燃やしてお湯を沸かします。

水道直圧式の瞬間式と、貯湯タンクありの貯湯式のどちらも選択可能です。井戸水を利用する場合は貯湯式が向いており、給湯器から離れた場所でも高い水圧が保ちたい場合には瞬間式が向いています。

また、導入費が安めで、故障時以外の検査は特に必要ありません。

従来の石油給湯器に比べて稼働音が小さく、灯油独特のニオイも軽減されている点がエコフィールの特徴です。

仕組み

二つの熱交換機を搭載し、お湯を沸かす際の排気熱で先に水を温めることによって、灯油使用量を減らす仕組みです。

 

2-4.ハイブリッド給湯器

ハイブリッド給湯器の特徴・仕組みは、下記のとおりです。

特徴

ハイブリッド給湯器は大気の熱・電気・ガスを併用してお湯を沸かします。

エコキュートのヒートポンプ技術とエコジョーズの二次熱交換機技術、両方の機能が使用される給湯器です。双方の仕組みを必要な湯量や温度、時間帯によって使い分けながら併用することで、お湯切れを起こす心配がありません。

エコキュートやエコジョーズよりも導入費用が高額となります。

仕組み

お湯として使う場合はエコキュートで沸かして貯湯したお湯を使用し、湯量が足りなくなった場合はエコジョーズの瞬間式でお湯を沸かします。

床暖房に使用する場合はエコジョーズで部屋を暖めたのち、エコキュートで沸かしたお湯を循環させることによって快適性を保つことが可能です。

 

3.エコ住宅設備の対象となる高効率給湯器の基準

高効率給湯器は、国土交通省が創設した「グリーン住宅ポイント」制度におけるエコ住宅設備の対象です。

自宅に高効率給湯器を設置することによって、24,000ポイント/戸が付与されます。ただし、エコ住宅設備の対象となる商品には一定の基準が設けられているため、注意が必要です。

エコ住宅設備の基準は、下記のとおりです。

対象設備 基準
電気ヒートポンプ給湯機
(エコキュート)
JISC9220に基づく年間給湯保温効率、又は年間給湯効率が3.0以上(ただし寒冷地仕様は2.7以上)であること。
潜熱回収型ガス給湯機
(エコジョーズ)
給湯部熱効率が94%以上であること。
潜熱回収型石油給湯機
(エコフィール)
連続給湯効率が94%以上であること。
ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機
(ハイブリッド給湯機)
熱源設備は電気式ヒートポンプと潜熱回収型ガス機器と併用するシステムで、貯湯タンクを持つものであり、電気ヒートポンプの効率が中間期(電気ヒートポンプのJIS基準に定める中間期)のCOPが4.7以上かつ、ガス機器の給湯部熱効率が94%以上であること。

引用:国土交通省「グリーン住宅ポイント制度の内容について」

なお、同じように高効率給湯器の設置に際してポイントが発行されていた「次世代住宅ポイント」は、令和2年3月31日に申請受付を終了しています。交換申し込みの受付も同年の11月30日に終了し、現在は「グリーン住宅ポイント」へ切り替わっているため、間違えないようにしましょう。

 

まとめ

高効率給湯器は、従来の給湯器よりも燃料の消費量が少なく済むことで、光熱費を抑えられて環境保全に役立つとして期待されている給湯器です。

4種類ある高効率給湯器はいずれも導入費用がかかるものの、ライフスタイルによっては早期に初期費用を回収できる可能性が高いといえます。

また、特に高い省エネ性能が認められている高効率給湯器は、エコ住宅設備のひとつとして「グリーン住宅ポイント」の対象です。グリーン住宅ポイントの申請期限は最長で令和3年10月31日までとなっているため、導入を検討している人は早めに動くことをおすすめします。

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グリーン住宅ポイント制度とは

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グリーン社会の実現および地域における民需主導の好循環の実現等に資する住宅投資の喚起を通じて、
新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ経済の回復を図るため、
一定の性能を有する住宅を取得する者等に対して、
「新たな日常」及び「防災」に対応した追加工事や様々な商品と交換できるポイントを発行する制度です。

グリーン住宅ポイント発行対象

新築

新築住宅の建築・購入
・契約時に建築1年以内、第三者が未入居の住宅
・一定の省エネ性能を満たす
・購入者等が自ら居住(1人1回)
・30万~100万ポイントを発行 等
既存住宅の購入
・2019年12月14日以前に建築された住宅
・売買代金が100万円(税込)以上
・購入者が自ら居住(1人1回)
・申請は入居後(完了前申請不可)
・15万~45万ポイントを発行
・同一住宅は1回まで
(購入前の第三者ポイント発行を含む)  等
賃貸住宅の建築
・全戸がトップランナー基準で
・床面積が40㎡以上
・棟単位で申請
・戸建住宅や店舗等の併用住宅は不可
・ポイント利用は追加工事のみ
(2022年1月15日までの完了報告が必須)

リフォーム

リフォーム工事
・工事の内容に応じてポイント発行
・最低5万ポイント以上の工事
・賃貸住宅へのリフォームも可
・1,000万円(税込)以上は工事完了前の申請も可
・上限内で同一住宅でも複数回の申請可 等

グリーン住宅ポイント制度の詳細について

グリーン住宅ポイントの制度の仕組みや、申請方法などの詳細については、
グリーン住宅ポイント事務局のホームページをご覧いただくか、グリーン住宅ポイント事務局の窓口に電話にてお問い合わせください。

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