
2021/05/11
【リフォーム編】グリーン住宅ポイント制度の概要&申請方法を解説!

グリーン住宅ポイント制度は、グリーン社会の実現や経済回復を目的に国土交通省が創設した制度です。住宅の新築・購入・リフォーム工事の際に発行され、さまざまな商品や追加工事と交換できます。
今回は、グリーン住宅ポイント制度で対象となるリフォーム工事の概要や、ポイントが発行されるまでの流れ、申請に必要な書類について解説します。ポイント申請時の注意点も紹介するため、これからリフォームを検討している人はぜひ参考にしてください。
1.グリーン住宅ポイント制度とは?
グリーン住宅ポイント制度は、高い省エネ性能があると認定された住宅を新築・購入・リフォームした人にポイントを発行する制度です。
過去には「省エネ住宅ポイント制度」や「次世代住宅ポイント」という名称で、同じような制度が運用されていました。次世代住宅ポイントは令和2年3月31日に終了したため、令和2年12月15日からは「グリーン住宅ポイント制度」として開始されています。
グリーン住宅ポイント制度で付与されたポイントは、省エネ・環境に優れた商品や健康関連商品、子育て関連商品、防災やテレワークなどに対応した追加工事などと交換できます。
1-1.対象となる工事
グリーン住宅ポイント制度の対象となるリフォーム工事は、以下のとおりです。
必須 |
|
---|---|
任意 |
|
必須となるリフォーム工事のいずれか一つを行えば、ポイントの付与対象と認められます。
1-2.発行されるポイント
グリーン住宅ポイント制度で発行されるポイント数は、リフォーム工事の内容ごとに設定されています。各対象工事の発行ポイント数は、以下のとおりです。
対象工事等 発行ポイント数 断熱改修 窓・ドア ガラス 0.2~0.7万Pt/枚 内外窓 1.3~2万Pt/箇所 ドア 2.4・2.8万Pt/箇所 外壁、屋根・天井又は床 外壁 5・10万Pt/戸 屋根・天井 1.6・3.2万Pt/戸 床 3・6万Pt/戸 エコ住宅設備 発行ポイント数 太陽熱利用システム、高断熱浴槽、高効率給湯器 2.4万Pt/戸 節水型トイレ 1.6万Pt/台 節湯水栓 0.4万Pt/台 耐震改修 発行ポイント数 15万Pt/戸 バリアフリー改修 発行ポイント数 手すり 0.5万Pt/戸 段差解消 0.6万Pt/戸 廊下幅等拡張 2.8万Pt/戸 ホームエレベーター設置 15万Pt/戸 衝撃緩和畳の設置 1.7万Pt/戸 リフォーム瑕疵保険等への加入 発行ポイント数 0.7万Pt/契約
申請者が居住する住宅をリフォームした場合、1戸あたりの発行ポイント数の上限は30万ポイントです。ただし、上限特例が設けられているため、条件を満たせば発行ポイント数が引き上げられるケースもあります。
世帯 既存住宅購入の有無 上限ポイント数 若者・子育て世帯 既存住宅を購入しリフォームを行う場合 60万ポイント/戸 上記以外のリフォームを行う場合 45万ポイント/戸 若者・子育て世帯以外の世帯 安心R住宅を購入しリフォームを行う場合 45万ポイント/戸 上記以外のリフォームを行う場合 30万ポイント/戸
若者世帯とは令和2年12月15日時点で申請者が40歳未満の世帯、子育て世帯は令和2年12月15日時点もしくは申請時点で18歳未満の子どもを育てている世帯です。
住宅を購入してリフォームを行う場合、令和2年12月15日以降に100万円以上(税込)の売買契約を締結し、売買契約から3か月以内にリフォーム工事の請負契約を済ませることが条件です。また、購入した既存住宅をリフォームする場合、各対象工事のポイント数が2倍となります。
ただし、1申請で5万ポイントに満たない場合、ポイントの発行を申請することはできません。
2.グリーン住宅ポイントが発行されるまでの流れ
グリーン住宅ポイントが発行されるまでの大まかな流れは、以下のとおりです。
- (1)リフォーム工事請負契約を結ぶ
- (2)必要書類を揃えて、事務局にポイント発行申請を行う
- (3)事務局からポイントが発行される
グリーン住宅ポイント制度のポイント発行申請は、リフォーム工事の発注者(建築主)もしくは工事施工業者や住宅販売事業者が行います。ただし、ポイントを追加工事に使用する場合、工事施工業者や住宅販売事業者による代理申請しか受理されません。
基本的にはリフォーム工事完了後にポイントの発行申請ができますが、1,000万円(税込)以上のリフォーム工事を行う場合は工事完了前でも発行申請が可能です。なお、工事完了前にポイント発行申請を出し、工事完了後に完了報告を行わなかった場合、ポイントを返還しなければなりません。
ポイントの発行申請期限は、令和3年4月~10月31日と予定されています。
3.【リフォーム編】グリーン住宅ポイントの発行申請に必要な書類
ポイントの発行を申請する際は、リフォームの内容や申請者によって必要な書類が異なります。申請間際になってから慌てないために、事前に必要な書類をチェックして揃えておきましょう。
ここからは、必要な書類や提出のタイミングを、4つのケースに分けて紹介します。
なお、以下の表で示す「◎」は必須の書類、「○」は必須の書類で必要事項が確認できない場合に必要となる書類です。
3-1.代理申請の場合
工事施工業者や住宅販売事業者に代理で申請してもらう場合は、以下の書類が必要です。
添付書類 申請時期 完了報告時 工事完了後 工事完了前 代理申請者の確認書類 ◯ ◯ × 工事請負契約書の写し ◎ ◎ × 対象工事内容に応じた性能を証明する書類 ◎ × ◎ 工事施工業者が発行するリフォーム工事計画書 × ◎ × 工事施工業者が発行するリフォーム工事証明書 ◎ × ◎ 申請者の本人確認書類(健康保険証や運転免許証の写しなど) ◎ ◎ ×
3-2.既存住宅を購入してリフォームする場合
既存住宅を購入してリフォームする場合は、以下の書類が必要です。
添付書類 申請時期 完了報告時 工事完了後 工事完了前 売買契約書の写し ◯ ◯ × 不動産登記の全部事項証明書 ◯ ◯ × 申請者の住民票の写し
(本人確認書類で確認できる場合は不要)◯ × ◯ 工事請負契約書の写し ◎ ◎ × 対象工事内容に応じた性能を証明する書類 ◎ × ◎ 工事施工業者が発行するリフォーム工事計画書 × ◎ × 工事施工業者が発行するリフォーム工事証明書 ◎ × ◎ 申請者の本人確認書類
(健康保険証や運転免許証の写しなど)◎ ◎ ×
3-3.若者・子育て世帯がリフォームする場合
若者・子育て世帯がリフォームする場合は、以下の書類が必要です。
添付書類 申請時期 完了報告時 工事完了後 工事完了前 40歳未満の世帯は申請者の住民票の写し
(本人確認書類で確認できる場合は不要)◯ × ◯ 40歳以上の世帯は住民票の写し
(申請者と子どもの同居がわかるもの)◯ ◯ × 工事請負契約書の写し ◎ ◎ × 対象工事内容に応じた性能を証明する書類 ◎ × ◎ 工事施工業者が発行するリフォーム工事計画書 × ◎ × 工事施工業者が発行するリフォーム工事証明書 ◎ × ◎ 申請者の本人確認書類
(健康保険証や運転免許証の写しなど)◎ ◎ ×
3-4.若者・子育て世帯以外がリフォームする場合
若者・子育て世帯以外がリフォームする場合は、以下の書類が必要です。
添付書類 申請時期 完了報告時 工事完了後 工事完了前 工事請負契約書の写し ◎ ◎ × 対象工事内容に応じた性能を証明する書類 ◎ × ◎ 工事施工業者が発行するリフォーム工事計画書 × ◎ × 工事施工業者が発行するリフォーム工事証明書 ◎ × ◎ 申請者の本人確認書類
(健康保険証や運転免許証の写しなど)◎ ◎ ×
4.グリーン住宅ポイントを申請する際の注意点
グリーン住宅ポイント制度を利用する際は、以下の2点に注意しましょう。
・令和3年10月31日までに契約を締結する必要がある
令和2年12月15日から令和3年10月31日までに、工事請負契約や売買契約を結び、ポイント発行申請を行わなければなりません。ただし、ポイント発行申請の締切日はあくまでも予定であり、予算の状況によっては早まる可能性もあります。リフォーム工事を行うにあたりグリーン住宅ポイント制度の利用を考えている人は、申請期限に関する最新情報を常にチェックしましょう。
・申請時期によって選択できる商品が変わる
グリーン住宅ポイント制度で交換できる商品は、ポイントの申請時期によって交換対象商品が異なります。在庫限りで交換終了する商品もあるため、ほしい商品がある場合は早めに申し込みましょう。
まとめ
グリーン住宅ポイント制度は、一定の省エネ基準を満たしたリフォーム工事を行った場合に、商品交換や追加工事に利用できるポイントが発行される制度です。リフォーム工事で発行されるポイント数は、対象工事の内容や個数に応じて合算されます。
グリーン住宅ポイント制度では、工事完了後のポイント発行申請が原則です。しかし、大規模なリフォーム工事を行う場合は、工事が完了していなくてもポイントの発行申請を出すことが可能です。
リフォーム工事の内容や契約日など、グリーン住宅ポイント制度の対象となるためには、さまざまな条件を満たす必要があります。また、申請者や世帯構成によって必要書類が異なるため、事前に確認して揃えることをおすすめします。